マニュアル
1. 検索画面
症例レポート(JADER並びにFAERS)をデータソースとして、薬剤名・有害事象名・適応症名から検索します。検索用語が記載されている報告件数のカウントや、関連する情報等を抽出します。タブで切り替えることでJADERとFAERSの両方のレポートデータを参照することができます。
検索条件オプション設定により、国別(FAERS)・性別・年齢別による絞り込み検索や、被疑薬のみを対象とした検索も可能です。
検索結果のテーブル「Results」において添付文書に記載の副作用項目に一致するかどうかを確認する機能があります。薬剤・副作用の検索結果下にある『既報/未報』プルダウンメニューから「あり・部分一致・なし」を切り替えることで、絞り込むことができます。
例)検索画面例[タミフル]で検索
(他)
分類ツリーからの検索は第2階層から選択していただくことが可能です。
検索結果リストに複数薬剤が表示された場合、薬剤名をクリック(背景が青になる)することで、有害事象・適応症の表示順が選択した薬剤に対して関連するレポートが多い順に表示されます。
表示例[アスピリン]で検索後、[バイアスピリン]を選択、有害事象・適応症の順位を確認
・検索履歴
検索履歴が登録されています。操作ボタンの復帰を押すことで再現されます。
2. 詳細情報
詳細情報では、転帰情報・商品名リスト、関連性のある有害事象・適応症表示テーブルなどを表示します。また、テーブル内のアイコンから各有害事象項目のグラフ・ヒストグラム・シグナル分布のビジュアライズされた情報を確認できます。
表示例[オセルタミビルリン酸塩(Oseltamivir Phosphate)]
(統計解析計算手法について)
CzeekVでは、統計解析の計算手法として、4種類のスコア指標を表示しています。世界の主要レギュレーション機関にて採用されている計算手法です。(詳細は以下に記載)
総合ランキングは各指標において位置づけられたランクを統合したものです。
シグナル値 | 採用機関 |
---|---|
PRR(Proportional Reporting Ratio) | EMA(欧州医薬品庁) |
ROR(Reporting Odds Ratio) | Lareb(オランダ薬剤監視センター) |
BCPNN(Bayesian Confidence Propagation Neural Network) | WHO(世界保健機関) |
GPS(Gamma-Poisson Shrinker) | FDA(米国食品医薬品局) |
※CzeekVの詳細画面などでの表示のスコアについては、PRRの場合はPRRそのものの値を、
RORの場合は95% 両側信頼区間下限値、ICの場合は95% 両側信頼区間下限値、
EBGMの場合は95% 片側信頼区間下限値としています。
※CzeekVでは、シグナル検出の基準を以下の2点を満たすものと設定し、赤字で表示しています。
1.件数≧3
2.PRRの場合はPRR≧2かつχ²≧4、RORの場合は95% 両側信頼区間下限値>1、
ICの場合は95% 両側信頼区間下限値>0、
EBGMの場合は95% 片側信頼区間下限値≧2
(χ²は、Yatesの補正を適用しています。)
(参考論文:Int. J. Med. Sci. 2013; 10(7):796-803.)
3. 分類(薬の情報)
分類ページでは、選択した薬剤の詳細な統計情報を表示しています。
経路別件数・報告ブランド名は、症例レポートに記載がある場合の統計情報を示しています。剤型別件数は薬剤名から類推できる剤型を記載しています。実際の症例レポートには剤型について報告していませんので、参考情報としてご利用ください。
4. レポート一覧
レポート一覧のページは、検索結果の件数数値をクリックすることで表示されます。検索条件対象となるレポートを抽出し一覧として表示しています。また、この一覧からさらに絞り込みで検索することも可能で、レポートが持つ多くの項目名において検索対象として設定できます。
タブで切り替えることでJADERとFAERSの両方のレポートデータを参照することができます。
表示例[オセルタミビルリン酸塩(Oseltamivir Phosphate)]
検索画面の有害事象・適応症の全件数表示列の数字をクリックすると、それぞれの有害事象・適応症に関連するレポート一覧を表示することが出来ます。
5. レポート情報統計
薬剤に対する有害事象のレポート数の年齢分布、性別分布を表示。
表示例[オセルタミビルリン酸塩(Oseltamivir Phosphate)]
カーソルを合わせると、分布表を表示します。
6. グラフ
薬剤投与から有害事象発生日までの期間別発生頻度の棒グラフ、期間毎・累計別による有害事象件数ヒストグラムを表示します。
全世界での報告と日本のみの報告を切り替えて表示することができます。
以下の図はタミフル(オセルタミビルリン酸塩)の有害事象レポート数の件数推移のグラフ(年代別ヒストグラム)です。
オセルタミビルリン酸塩(OSELTAMIVIR PHOSPHATE)
7. シグナル分布
縦軸にシグナル値、横軸に報告数をもつ分布図となっており、薬剤と関連において有意性があると思われる副作用をプロットしたものです。その中で任意に選択した副作用がどの位置にプロットされているのかが視覚的にわかるようになっており、有意性ある副作用の中でもさらにどの位置に存在するのかが解析できます。(縦軸のシグナル値は数種類の統計解析パターンを用意)
黄色いプロットにカーソルを合わせることで内容を表示します。
表示例[オセルタミビルリン酸塩(OSELTAMIVIR PHOSPHATE)]
8. 統計解析 画面
複数の薬剤と有害事象の関連性の比較をしたい時に使います。
検索結果リストにあるチェックボックスにチェックしたまま異なる薬剤名で検索をしても、チェックした薬剤は結果リストには残ったままになっています。この機能を使い、複数の薬剤比較を行います。
以下の例では[オセルタミビル]と[ザナミビル水和物]を比較します。[オセルタミビル]で検索した後にチェックをつけて、再度Serach領域で[ザナミビル水和物]を検索します。この時、Results領域の有害事象、適応症は[ザナミビル水和物]の検索結果になっています。
統計解析/薬剤比較 画面
登録リスト(左欄)に登録した薬剤・有害事象・適応症について、前述した各種の統計解析手法を用いてスコア値を計算しています。右欄には、「薬剤(横軸)-有害事象(縦軸)」/「薬剤(横軸)-適応症(縦軸)」の関連性を示すスコア値とレポート数を表示しており、シグナルが算出された項目は、赤く塗りつぶされて表示されます。この表を用いて各薬剤における各有害事象(適応症)における関連性について評価することができます。
9. 既報/未報選別機能
検出された副作用が注目薬剤の添付文書に記載されている副作用(:既報)か記載がない副作用(未報)かを選別することができます。
用語が完全に一致したものを「あり」、部分一致とみられるものを「部分一致」、一致しないものを「なし」と表示しています。
※副作用として登録されているFAERS(JADER)の用語との一致/不一致をもって既報/未報の選別をしていることから、同じ意味を示すが表現が異なる添付文書上の用語には一部対応できていないものもあります。そのため、気になる副作用は必ず注目薬剤の添付文書を確認ください。