バックグラウンド

CzeekV Proでは、薬剤と有害事象の関連性評価に対してシグナルディテクションというメソッドを採用し、各当局が採用している統計解析手法であるスコア計算値を求めています。これはCzeekV Proにも搭載している自発報告有害事象データベースを対象として「処方全体の数値は不明だが、報告されている情報のみを用いて関連性を評価する目的」として主に利用されている不均衡分析の一つとなります。この解析のプロセスでは必ず、2*2の分割表（下図参考）を作成し、そこに暴露有無件数・イベント（有害事象）有無件数をカウントして入力後に計算を進めます。

（図：2＊2の分割表）

2＊2分割表	注目する 有害事象	その他の 有害事象	計
暴露有り	a	b	a+b
暴露なし	c	d	c+d
計	a+c	b+d	a+b+c+d

シグナルディテクションでは、これら分割表各セルの数値を用いてPRR・ROR・χ自乗等を計算します。それぞれの指標でスコア値が閾値を超えたらシグナルが出ている（検知している）という意味で、関連性が高いことを示します。一方で、“シグナル検知”イコール“リスクがある（副作用である）”というわけでもないことはご理解ください。

計算式は割愛します。参考論文として以下を参照ください。
参考論文：Int. J. Med. Sci. 2013; 10(7):796-803.

CzeekV Proでは、上記表の「暴露あり」に全薬剤をひとつひとつ当てはめて、また「注目する有害事象」に全有害事象（PT）をひとつひとつ当てはめて、それら膨大な組み合わせ全てのパターンを計算しています。データベースが更新されたり、薬剤辞書が新しくなって更新されたりすると、その新パターンにも対応して全てを計算しています。JADERでもFAERSでも同様、膨大なパターンを時間をかけて実施しています。そして全スコア値をデータベースのテーブルに格納していますので、ユーザは検索するだけでその値を確認することができます。

このような不均衡分析の啓蒙が深まり、システムの利用に慣れてくると、下記のようなニーズの声を聞くようになります。

• 「似た有害事象はまとめてしまい、どちらかが報告されていれば必ずカウントするようにしたい。」
• 「投与剤の特徴を加味して、対象年齢を60歳以上に設定したい。」
• 「同成分の薬剤をまとめて暴露と設定したらどうなるのか？」

　などなど

CzeekV Proでは、すでに計算を実施した情報のみが検索できるシステムですので、ユーザが希望するカウント方法・計算手法を適用した統計解析が出来ません。ユーザ個々のオーダーに合わせた統計解析を実施する自動ロボット機能までは搭載していません。

そこで、ユーザが自身の解析目的に合わせて分割表のカウントを注文（オーダー）できる「オーダ計算機能」を開発、搭載しました。

オーダー計算

例えば、注目したい有害事象がPT1つだけでなく、複数ある場合は分割表の設定を変更すればその解析が可能です。下図は階層としてまとめられているSMQ・HLGT・HLT等を利用した場合の分割表です。

（図：注目イベントをSMQに設定した場合の分割表）

PTだけでなく、SMQでのグループ設定となるので、そこに属するPTが一つでもあればその症例はカウントするようにします。もちろんSMQ（や、HLGT等階層の）指定ではなく、任意のPTを複数指定することでも可能です。

また、同じ系統の薬剤群をまとめて設定することも可能です。

（図：暴露設定の薬剤を群としてまとめた場合の分割表）

類薬、成分が同じものなどをまとめてしまい、カウントする際にこのような設定とカウント手法を採用します。

他に解析対象を年齢で絞るなど背景情報の設定を変更することも出来ます。

これらの例から、2＊2の分割表を埋めるためのカウント範囲の設定を定める方法も解析者・研究者にとって多岐に渡ることがわかるかと思います。そして、それが各研究者の定めるリサーチ・クエスチョンにとって重要になってきます。

オーダー方法

オーダー画面を開き、必要な事項を入力してください。

データ・セットの設計を行います。
注目する暴露（薬剤）・イベント（有害事象）を入力します。
複数選択も出来ます。

• ・薬剤の設計について
  　被疑薬設定も出来ます。
• ・有害事象の設計について
• ・背景設定について
  　年齢設定が可能です。（JADERのように10代区切りしか
  　記述がないものは別途相談ください。）

確認画面において、利用規約をよく読んで同意されたらチェックをいれてからオーダーしてください。

ほか、最終決定までに悩む項目がある場合はお気軽にご相談ください。
ファーストオーダー後に担当から確認の御連絡をしますので、自由入力エリアを活用のうえ、
何かあればその他の欄に相談事項を記載してください。
この設計部分が大事ですので、ユーザの意図がずれないようにしっかり確認を進めるようにしています。

オーダー画面へは、2つの進み方があります。

1. トップページ＞オーダーアーカイブページ＞オーダー新規
   
2. 薬剤検索＞詳細情報画面＞オーダー新規
   

オーダー結果の閲覧について

オーダー内容に合わせて計算が終わりましたら事務局にてCzeekV Proのページにアップします。
アーカイブページに新しい行が追加されますので、
詳細ボタンから確認してください。

オーダーした薬剤の詳細画面からも結果ページが見られるように
リンクバナーが設置されています。

オーダー確定後、２〜３日の営業日でアップしますが、
データの大きさ、データセットの設計によって前後します。

オーダー結果の内容は基本、ユーザー全員へシェアされます。
公開期間等は事務局にて設定します。

オーダー機能を利用できる方・利用価格

■アカデミック会員・医療機関会員の方

（企業方はシグナルレポートサービスをご利用ください。）

■利用可能回数　：　１回／月（１IDにつき）

複数IDをご利用の場合は、IDの数だけ毎月オーダー可能です。
（その場合は代表者がオーダーください）

（注意事項）
１年契約の間で12回分利用権限があるというわけではありません。
１年契約でも利用されなかった月を他月へ回すことは出来ません。
一度のオーダーで多くの解析を希望されたい場合は、別途ご相談ください。
例えば、初回のみのオーダー依頼で、毎月同じオーダー内容を定期的に公開するといった方法は可能です。
どんな質問でも構いませんので、まずはお気軽にお問い合わせください。お問い合わせはコチラ

■価格：無料

同月内２回目以降は有料です。別途ご相談ください。

オーダー頂いた計算結果は原則公開いたします。
公開不可の場合は、シグナルレポートサービスをご利用ください。受託解析として承ります。

他、詳細な利用規約（オーダー注意事項）はこちらをご確認ください。